■1(静岡)
2010年6月10日(木)10:00~@静岡地方裁判所
高齢傷病男性就労強要保護停止事件についてお知らせ・裁判支援のお願い
■2(東京)
2010年6月24日(木)18:30~20:30@エデュカス東京 地下会議室
「もう落ちるのイヤだ!~「無償化」時代の高校と高校入試を考えよう~
■3(東京)
2010年7月4日(日)13:30~16:30(開場:13:00)@東京大学駒場キャンパス18号館ホール
「東京プライド・パレード」公式プレ・イベント
東京プライド・シンポジウム ~「公共性」を再考する~
■4(全国)【お知らせ】
地域主権改革と障害者施策に関する要望書
■5(全国)【お知らせ】
「子どもの権利手帳」完成のお知らせ
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■1
高齢傷病男性就労強要保護停止事件についてお知らせ・裁判支援のお願い
皆さま
静岡から、現在の生活保護行政の動きを象徴するような驚愕すべき事件のお知らせ
です。
静岡市の葵福祉事務所は、何と64歳という高齢で、糖尿病や腰痛・膝痛に苦しむ保
護受給中の男性Aさんに対して、3ヶ月以内に「就労を開始せよ」と命じました。それ
は派遣切りが最も深刻化した一昨年末のことです。
Aさんは痛みをこらえてハローワークに通い、3件も応募して、1件は面接までこぎ着
けたものの、採用はされませんでした。健康で若い失業者があふれかえっている時期
だからというだけでなく、そもそも高齢で傷病を抱えた人を雇える企業などないでしょ
う。Aさんは応募すらなかなかできず、「求職状況報告書」を書いて提出することもで
きませんでした(ハローワークに通った記録だけでもよいはずなのに、cwは応募したき
ものしか書けないと指導していた)。
しかし、葵福祉はAさんが指示に「従わなかった」という理由で保護を昨年4月に保
護停止決定をしました。就労の場がないのはわかっているが、とにかく必死に求職活
動をして報告せよ、というのです。
Aさんは県に対して審査請求をしましたが、どういうわけか県は葵福祉の主張を鵜呑
みにして、それどころか葵福祉が主張・立証できていないことをわざわざ補ってあげ
て、Aさんの請求を棄却しました。
そして、ついにAさんは、今年4月1日に提訴しました。
このエイプリルフールのような事件は、「自立支援」という名の就労強要と排除を阻
止しうるか否か、今後の日本の方向性を決する重大な裁判となるでしょう。
こんな事件が起こるのは静岡市が極めて特殊だからというだけではありません。就
労の場もないのに「就労支援」と称する就労強要・保護からの排除を強めようしつつ
ある行政の動きを象徴するものです。
受け皿=就労場所もないのに働けと一方的に強いるのは、命綱なしでバンジージャン
プをしろと迫るようなものです。就労指導も、安心してはたらける職場をまず確保し
た上でなければ意味を持ちません。そもそも労働市場で就労自立できる能力があると
いえない高齢で疾病のある男性に就労を迫ることなど、荒唐無稽なはなしです。
ぜひ皆さんのご支援をお願いします。
★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆
第1回期日は
【日時】6月10日(木)10時から
【場所】静岡地方裁判所
★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆
///// プレス発表資料 ///////
64歳を過ぎた糖尿病・腰痛持ちの高齢男性に就労指導? 稼働能力不活用で保護停
止? まるでエイプリルフールのような事件!
【本件事件】
糖尿病と腰痛などで体調不良で、しかも64歳という高齢のMさんに対して、葵福祉事
務所は就労を開始せよとの指示を出し、これに従わなかったという理由で、2009年4
月23日、生活保護の停止決定をした(5月1日から保護を停止するという内容)。
Mさんは働くことはおろか、就職活動さえままならぬのに、しかも世紀の大不況で派
遣切りが横行し、失業者が大量続出していた時期に、驚くべき違法な処分である。30
代から50歳くらいまでの働ける健康状態の人が生活保護申請を却下されたり、保護を
打ち切りされる(停止または廃止)される事件はあっても、60歳以上の人が能力不活用
で保護を拒否されるのは全国的にも稀である。
【事実の概要】
60歳の時、仕事を失い住居を喪失したMさんは、野宿を強いられながらも警備の仕事
をして生き延びていたが、野宿のままの就労は極めて困難で、2005年5月から生活保護
を受けアパートで暮らすようになった。その後も仕事を続けたが、糖尿病と腰痛・膝
痛など体調不良で辞めざるを得なかった。それでも葵福祉事務所はMさんに仕事をする
ように指示し、Mさんも一度は新たに職を見つけ、2006年8月から働いたが、やはり体
調不良で就労し続けることは困難であった。
2008年12月5日、葵福祉事務所は、体調不良でもうすぐ64歳になるMさんに対して、
2009年1月30日までに就労を開始せよ等の指示を出した。日常生活にさえ支障を来して
いたMさんにとってはハローワークに通うことさえ困難であったが、それでも仕事探し
をして、3つの事業所に応募し、面接も1つ受けた。しかし、高齢に加え体調不良のた
め採用されることはなかった。
ところが、高齢と体調不良を押して就職活動をしたMさんに対して、なんと葵福祉事
務所は、指示通りに働こうとしなかったという理由で、2009年4月23日、保護停止決定
をした。そのためMさんは家賃も払えず、再度野宿になる危機に見舞われた。
そこで、6月26日に県知事に対して停止処分の取消の審査請求をし、執行停止を申し
立てた。知事は申立を認めて執行停止決定を行ったが(7月1日)、葵福祉の不十分な弁
明を職権で補うという不公正な態度で審査請求を棄却した。
しかし、医師の診断によれば、そもそもMさんに「稼働能力」がないことは明らかで
あった。さらに、2009年の年初から春にかけては、まさに派遣切りが横行した時期で、
若く健康な人々でさえ就労が困難だった時期であり、高齢で体調不良のMさんが雇用さ
れる見込みなどなかったのは明白であった。
【違法性について】
生活保護法4条1項は、保護の要件として「資産」と「能力」の「活用」を定めてい
る。
「能力」とは稼働能力、企業などで就労して働く能力のことである。これは単に寝起
きや歩行等を自力でできるという程度の能力ではなく、企業での就労に耐えうる能力
である。しかし、Mさんは糖尿病、腰痛・膝痛などで起居にも痛みがともない、就労に
耐えうる状態ではなかった。それは医師の診断書でも明らかである。
一般に年金制度との関係から65歳以上の人は稼働能力がなく、65歳未満の人は稼働
能力があるとみなされている。しかし、能力には個人差があり、体調の違いもある。
にもかかわらず、葵福祉事務所は、Mさんの体調のことなどまったく考慮せず、単にM
さんが65歳未満であるという形式的な理由だけで、就労を指示し、それに従わなかっ
たという理由で保護を停止したのである。
葵福祉は、そもそもMさんには稼働能力がないのに、不況による就職難の時期に、個
人的な事情も客観的な事情もすべて無視して、一方的に就労開始を指示した。しかも、
無理して求職活動をしたMさんに対して、無情にも保護停止をして、住居喪失と生命の
危機に直面させたのである。
葵福祉事務所が、県知事の棄却裁決後、再度保護を停止され危機状態に陥ったMさん
に対して、12月8日、「ライフライン停止が迫っており、急迫状態と認められるため」
保護を再開したことは、葵福祉事務所自身が、Mさんには就労により生活費を得ること
ができないことをはっきりと認識していた証左である。
葵福祉事務所長による保護停止は、働く能力がない人に無理やり就労を迫るという
違法な指示違反を理由としたもので、正当な理由がなく、違法なのは火を見るよりも
明らかである。
(参考)生活保護法
4条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるもの
を、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
27条 保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達
成に必要な指導又は指示をすることができる。
2 前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなけれ
ばならない。
3 第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈
してはならない。
56条 被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更さ
れることがない。
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■2
「もう落ちるのイヤだ!~「無償化」時代の高校と高校入試を考えよう~
【日時】6月24日(木)18:30~20:30
【場所】エデュカス東京:地下会議室(JR市ヶ谷、四谷駅より、地:麹町駅すぐ)
【主催】都教組高校対策委員会
*東京の高校入試:今春の異常事態(定時制二次で313人不合格。4月8日「追加募集」発表)
それでも「選択と競争の時代」(石原都知事)を強化する高校入試の改変が準備されています。
12年入試から「千葉」「埼玉」も変わります。授業料「無償化」時代の高校、高校入試
私たちから「変える」視点を提示したいと。
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■3
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「東京プライド・パレード」公式プレ・イベント
東京プライド・シンポジウム
~「公共性」を再考する~
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今年、3年ぶりに復活する東京プライドパレード。パレードとは「性的マイノリティ」の
祝祭にとどまるものではありません。当事者の存在と当事者の抱える問題を「公」のものに
していく(社会に共有された認識/課題にしていく)プロセスでもあります。
生きにくさを抱えた人々が生きにくさを抱えたまま/乗り越えながら、どうやって「公」と
関わり「公」を変えていくのか―このシンポジウムでは、そんな視点から「公共性」を問い直
します。少し難しい言葉や話が飛び出すかもしれませんが、皆さんも一緒に考えてみませんか?
【日時】2010年7月4日(日)午後1時半~4時半(開場:1時)
【場所】東京大学駒場キャンパス18号館ホール
〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
(京王井の頭線・駒場東大前下車。18号館ホールは少し奥まった場所に
ありますので時間に余裕をもってご来場ください)
●講演者
講演1 『パレードと公共性』
砂川秀樹(文化人類学者/東京プライド代表)
HP:http://www016.upp.so-net.ne.jp/sunagawa/
著書:「カミングアウト・レターズ」(太郎次郎社エディタス)など
講演2 『規範的理由と感情について』(仮)
齋藤純一さん(早稲田大学政治経済学術院教授)
著書:「公共性」「自由」「政治と複数性」(いずれも岩波書店)など
講演3 『傷をさらす/さらさない場所』
宮地尚子さん(一橋大学社会学部教授)
HP:http://naokomiyaji.web.fc2.com/j/Welcome.html
著書:「環状島=トラウマの地政学」(みすず書房)、「傷を愛せるか」(大月書店)など
講演4 『「死」の“公共圏”を越えて連帯へ』
稲場雅紀さん(動く→動かす GCAPJapan事務局長)
共著:「流儀」(生活書院)
GCAPJapanのHP: http://gcapj.blog56.fc2.com/
★登壇者4人によるクロストーク&質疑応答
コーディネーター:稲見隆洋(東京プライド・コアスタッフ)
【参加費等】入場無料・予約不要
(予定は予告なく変更になる場合もございますのであらかじめご了承ください)
【主催】東京プライド
http://www.tokyo-pride.org/
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■4
2010年5月21日
内閣総理大臣
鳩山 由紀夫 様
内閣官房長官
平野 博文 様
内閣府特命担当大臣(地域主権推進)
原口 一博 様
内閣府特命担当大臣(障害者施策)
福島 瑞穂 様
日本障害フォーラム(JDF)
代表小川 榮一
地域主権改革と障害者施策に関する要望書
平素より障害者の権利の向上並びに福祉の充実へのご尽力に対し、心から敬意
を表します。
障がい者制度改革推進本部に置かれた障がい者制度改革推進会議(以下、「推
進会議」)においては、各種法制度に関する議論が活発に進められ、当事者参加
下に新たな政策策定がなされるものと、多くの障害者ならびに関係者が、強い関
心をもってその推移を見守っているところです。
さて、昨年11月に設置された「地域主権戦略会議」においては、地域主権の確
立に向けた法案提出を含むさまざまな工程が進められているとお聞きしています
。
私どもは、「地域のことは地域に住む住民が決める『地域主権』への転換」と
いう方向性に異議を唱えるものではありません。しかしながら、公開されている
工程等からは、地域における障害者関連施策の義務規定や当事者参加等の規定ま
でもが、一律に自治体の裁量に委ねられることになるよう見受けられます。現時
点では、このことにより障害者施策の地域間格差がさらに増大し、これまでの障
害者運動により実現してきたさまざまな成果が大きく後退してしまうのではとの
危惧を抱かざるを得ません。
また、現在推進会議で議論している制度改革も、この地域主権改革の動向によ
り大きく影響を受けるのではないかとの懸念も生じています。これまでの推進会
議でも、度々、「障害者の地域生活や人権はどう担保されるのか」「障害者制度
改革の中で示す方向との整合性はどうなるのか」との指摘がされてきました。
つきましては、地域主権改革と障害者施策に関して、次のことを要望いたしま
す。
記
1.「地域主権改革」の主管官庁及び関係省庁からの意見聴取の実施をお願いし
たい。
現在議論が行われている「地域主権改革」は、障害者の社会生活・日常生活さ
まざまな分野に直結する問題となる。政府内でどのような議論が行われているの
か、主管官庁、関係省庁から、現時点での議論の内容や今後の見通し等について
意見を聞かせていただく機会を設けていただきたい。
2.障害者施策に関わることについて、国会の場で、当事者・関係者が意見を十
分に述べる機会を設けていただきたい。
当事者抜きに政策を決めてはならないと考える。「私たち抜きに私たちのこと
を決めないで」という言葉が、障害者権利条約の交渉過程において、世界中の障
害者に言われてきた。また、障害当事者等が過半数を占める障害者制度推進会議
の設置もなされてきた。こうした動きをふまえて、当事者が意見を述べるための
機会を設けていただきたい。特に国権の最高機関たる国会での障害当事者の参考
人質疑の実施を強く求める。
3.「障がい者制度改革推進会議」との連携をお願いしたい。
新政権における公約の一つとして設置された「障がい者制度改革推進本部」は
障害者施策全般に亘っての施策決定の権限を持った機関と理解される。このこと
を法定する「障害者制度改革推進法案(仮称)」の早期制定が焦眉の課題である
が、同本部の下に置かれた「障がい者制度改革推進会議」において、6月頃を目
途に「中間まとめ」を行うとしていることから、「地域主権改革」によってその
議論の枠組みを制約することのないようにすることを強く求める。
4.「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」につい
て、内容をさらに精査し、障害者の人権・尊厳を確保するものとしていただきた
い。
障害者自立支援法の改正において、人権に直結する運営基準は「従うべき基準
」、その他の運営基準は「参酌基準」となっている。「参酌基準」の中には「居
室定員4人以下」など、明らかに人権に直結する項目も含まれており、劣悪処遇
への後退が懸念される。人権尊重の観点から、これを担保する仕組みが必要であ
る。障害者施設における人員配置、居室面積、居室定員などについて実態把握の
ための調査が必要であり、実施を求める。
5.今後の義務づけ・枠づけの見直しについて、慎重な検討をお願いしたい。
「計画等の策定及び手続き」について、「廃止又は条例委任」の考え方が示さ
れているが、ここでも、計画の策定状況、内容、策定への当事者参画、進捗状況
、財源確保などを検証する必要があり、安易な廃止又は条例委任がされてはなら
ないと考える。
「障害者基本法」 都道府県・市町村障害者計画の策定
「障害者自立支援法」 市町村障害福祉計画の策定
「障害者雇用促進法」 公務部門における障害者の採用に関する計画の作成
「バリアフリー新法」 移動等円滑化基本構想の内容、高齢者・障害者等、そ
の他利害関係者の意見反映
6.ひも付き補助金の一括交付金化について、慎重な検討をお願いしたい。
「ひも付き補助金」とは何かを明らかにする必要がある。補助金の使途、金額
の多寡、市民生活とのかかわりなど、精査する必要がある。一括交付金化によっ
て、障害者施策の財源がこれ以上縮減されてはならない。むしろ、施設、病院か
らの地域移行を進めるために、全国的な基盤整備こそが求められている。また、
障害者制度改革の立場から、地域生活中心のサービス・財政構造への転換を、国
は率先して進めていかなければならない。生活者の目線に立った議論をお願いし
たい。
「中央集権」対「地域主権」といった議論の進め方には違和感を覚える。「コ
ンクリートから人へ」、「生活が第一」という政権理念に基づいて、人を、生活
見つめながら、あるべき「地方自治」についてともに議論していきたいとの思
いを付言しておきたい。
以上
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■5
「子どもの権利手帳」完成のお知らせ
京都の吉田雄大です。「いのち・そだち・まなび京都子どもネット」が
作成する、子どもの権利手帳が完成しました!
下記URLで公開中です。PDFファイルを無料ダウンロードできます。
http://www.kyokyoso.jp/topics/kenritetyo%81%9A.pdf
みなさまぜひご活用ください。
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